目指す医師像

ER型救急医

「なんでも出来る医者ってかっこいい」そんな魅力がここにはあります。

小児・妊婦、高齢者の発熱、交通事故、歩いてくる人から、タクシー・自家用車、救急車でERを受診する人は大勢います。患者さんを選ばずになんでもみよう、話を聞こう、とりあえず手を差し伸べようという考えのもと日々みんなで協力しながら頑張っています。

「専門性を持たない医者」「振り分けするのは医者でなくてもできる」「入院をもたないなんて何様のつもりだ」と言われることもありますが、ERとしたれっきとした専門性があり、自分の医師免許をかけて「今日は帰宅」とか「朝まで経過観察入院」とか「緊急性があるから専門医と相談だ!」などと目の前の患者さんに対して今なにをすることがベストであるか常に考えながら仕事をしています。

「全ては患者さんのために」そのようなフレーズのもと、時には患者さんと一緒に笑い、時には泣き、時には厳しく指導をしながら外来ができるのはER・総合診療の醍醐味だと思います。話を聞き、身体所見をとることで隠れている疾患を見出し、適切な専門家へバトンタッチすことが最重要任務です。

ERは経験年数はあまり関係ありません、自分が学んだこと、見たことがある疾患をあるキーワードから探しだすことでパッと解決することもあります。これを「Snap diagnosis」と言いますが、チームの誰かが知っていれば解決することも多く、ちょっとした知識で患者さんを救うことができることもERの魅力です。

林先生を中心に、日々楽しいレクチャーやカンファレンスを繰り広げています。単なる学問のみならずコミュニケーション能力の向上・スライドのつくり方、発表の仕方、文献の探し方などいろんなことが学ぶことができます。

ERの未来は明るい?
ERの未来は明るい?

地域医療

地域医療はギリギリのところでなんとか踏ん張っている。地域医療を担う人材が少ないことも確かであるが、やはり若い医師・若い医学生に地域医療の面白さを十分に伝えきれていないのではないかと思われる。

医療の原点は必ずその家庭から地域から始まる、家庭で医療に関して困ったときはかかりつけ医・家庭医に相談に向かう。検査が必要になった時には紹介状を作成し病院の総合外来へ紹介とする。精密検査の結果入院が必要になった時には総合内科入院チームが診療し、元気になればまた地域の家庭医に戻る。

すなわち、患者さんの一連の流れ(地域→地域中核病院→総合病院→地域中核病院→地域)をみることができるのである。これが一番の総合診療・家庭医の魅力である。

まだまだこの魅力を十分に伝えることができてない。

福井では少しづつであるが、地域医療に力を入れてつつある。総合病院での病棟管理法、診療所での慢性疾患の管理法、在宅医療のスペシャリストによる熱い指導。魅力は尽きない。

困っている患者さんに手を差し伸べるだけでなく、適切な専門医との連携、地域に戻ってきてからのきめ細かいケア、これが着実にかつ確実に学ぶことができる。

このような図式がすべて同じチームで行うことができれば理想であるがまだ充足していない。これからさらに充足することができれば、患者さんは主治医に困ることなく、家族は在宅までケアしてくれる医師がいることで安心し、研修医は総合病院では学ぶことができなかった医療を学べ、指導医は更に教育に力が入るのである。

地域医療が再生することはみんながHappyになれるのである。

地域医療の面白さを福井で学んでみませんか?

総合外来の寺澤先生

救急に強い総合診療医

総合診療部は非常に奥が深い、救急外来のように一期一会を大事に診療する科ではない。外来診療と入院診療とを診る診療科はどうしても患者さんと正面を切って、じっくり腹を据えてつきあう必要がある。

しかし、ここに総合診療のおもしろさがある、実際に自分たちで治療方針を決め、治療を行い、回復し、自分の足で帰って行く患者さんみると「医者していて良かった」と思うのである。

確かに、診療は単純ではない、他の診療科では体験することができない「社会的側面」も配慮しながら診療を行う必要があるからである。社会は複雑化しており、本人を取り巻く環境も複雑になっている。その複雑さが故に隙間にはまりこみ抜け出せなくなり、我慢できなくなり病院へ駆け込んでくるのである。その側面も配慮しながら最大限どのような医療資源を用いれば患者さんのためによいの常に模索しながら動く必要がある。

 

総合外来ではできるだけゆっくり話しを聞き、その人の医学的な問題点、環境面の問題点などを抽出し、一つずつ問題を解決することが総合外来の役割であり、ここがERとはちょっと異なる所である。普段の外来ではできないような綿密な問診、身体所見を行うことができることも魅力である。総合診療部メンバーもERの勤務に入ることで総合外来で生かした知識・経験を用い広く診療を行うことができる。これが、当院の「救急部」と「総合診療部」が合体している最も大きなメリットである。このシステムは全国どこをさがしてもなかなかないユニークなシステムである。

 

当院の総合診療部は「内科的入院」だけでなく「外傷入院」、「中毒」の患者さんも広く受け入れている。つまり内科以外はどのように診療して良いのかわからないというのではなく、「外傷や中毒」患者さんも受け入れることにより、たとえ地域の病院にでても、診療所で診療していても、関連病院で当直していても、開業しても決して患者さんを断ることなく幅広く患者さんを診ることができるのである。

この幅の広さが、「本人の診療の幅であり、医療者として、人間としての幅の広さである」、なんでも診療できる医師を目指して日々総合診療部チームで勉強し努力しています!

高浜町安土山からの展望台より
高浜町安土山からの展望台より

カリキュラム/関連病院/大学院/海外研修

平成25年4月8日〜5月31日まで救急部の若きエースがアメリカにて海外研修+ER見学に出かけました。

どのようなものをアメリカにてゲットして帰ってくるかが楽しみです。

ドクター

今回は総合診療部:小淵が担当します。

 

次回は救急部:後期研修医 神川先生が担当します

「自分は外科医になりたい」そう思い、医学の道を志したのが中学校の時であった。祖父母が相次いで胃がんで亡くなり、手術を行うことでがんに苦しむ患者さんを一人でも多く救いたいという信念があった。
浪人生活を経て福井大学医学部に入学することができた、大学時代も自分が「外科医」になることを信じて疑わなかった。無事卒業し大学病院の第2外科医局に入局した。当時はスーパーローテーション制度はなく、外科(消化器外科、呼吸器外科、心臓血管外科)を主に研修し、麻酔科3 ヶ月、救急部2~3 ヶ月という研修内容であった。3 ヶ月の救急部ローテーション中に、将来自分のロールモデルとなる寺澤先生と出会った。
当時の救急外来は現在ほど患者数は多くなく、比較的平和な時間を送ることができた。そんな時間を寺澤先生と共に過ごし、週2 回のカンファレンス、週1 回ランチをみんなで食べながらの抄読会は自分にとってとても刺激的だった。
なによりも寺澤先生の知識もさることながら、患者さんに向き合う姿勢、話し方、家族との接し方など医師として基本となる姿勢を学んだ。これは今でも変わらない。
「あ~ER って面白いなあ」と当時研修医であったためなのか、もともと性格が単純なためなのか未だ分からないが徐々にER 診療にハマっていった。
しかし自分は外科医になりたく医師の道を志したのであり、卒後5 年まで一般・消化器外科医として優秀な先輩達にみっちり鍛えてもらった。外科認定医の資格を取得した後に今後の自分の医師としての人生について真剣に悩んだ。自分でも結構単純な性格であることは分かっているが、後にも先にもこれだけ悩んだ時期はない。
悩んだ末、ER の道を選択した。決して外科が嫌いになった訳でも、手術が飽きた訳でもない、ただ純粋に「ER」の世界に飛び込んで見たいという好奇心からであった。それまで手術や術後集中管理を自分で行っていたために、「ER・初期診療」というものを多少なめてかかっていた。しかし現実は非常に厳しかった。どれだけ自分の知識が偏っていたかを痛感することになり、特に内科、小児科の知識が完全に欠落していた。その後は若い研修医になめられまいと必死で勉強をし直した。いまも日々勉強の毎日である。
現在は総合診療部教授に林寛之先生をお迎えし、中間管理職として、初期研修医や後期研修医、スタッフDr とのサポート役として毎日若い先生方と一緒に楽しく仕事をしている。
自分は決して「天才」「秀才」ではなく、ただの「凡人」である。いままで寺澤先生や林先生、自分よりも遙かに優秀な先生方と出会い、一緒に仕事をする中でふと気付いたことがある。自分はどう頑張っても天才にはなれない、ならば凡人は凡人でも「最高の凡人」を目指し日々努力すれば良いのではないか?以降は肩の力が抜け、研修医の前で背伸びをする自分がいなくなり、分からない事は分からないとして自然体のまま患者さんと向き合える自分がいた。
「いつも5 年先を考えて行動をしなさい」、これは僕の恩師の先生の言葉である。しかし人生は一度きりである、その年・その月でやりたいことはコロコロ変わるものである。自分の気持ちに正直に「今、自分がしたいことは何なのか?」と心に問いかけることで、自分の出した答えに対し素直に進むことで後悔しない人生になるものと僕は信じている。
皆さんの出した答えが「ER・総合診療」であれば一度福井大学を見に来て欲しい。患者さんや若き研修医のみんなと一緒に、時に笑い、時に泣き、時には怒ったり・怒られたり、また時には慰めたり・慰められたり、そんな医療の原点とも言える診療が福井大学にはある。
医学は日進月歩である、技術や機器はどんどん進化している。しかし医療者として一番重要な事は「患者さんと真っ正面から向き合うこと」である。ER・総合診療医として多くの患者さんを診ることは非常に重要である。しかしその前に「診療のイロハ」をきちんと基礎から学んでおかないと問診や身体所見はそっちのけで、「とりあえず検査」に走りやすい医師となってしまう。確かに大学病院の受診患者数は年間18000 人前後で、一般市中病院よりは少ないかもしれない。でも決して少なくもない。この「多くもなく少なくもなく」が絶妙のバランスを生むのである。患者さんと向き合い、研修医とディスカッションを行い、時間を十分にかけて患者さんによりよい医療を提供することが医療人としての基礎として重要である。この基礎ができた後に多くの患者さんを診療できる病院で働けば「鬼に金棒」であり診療に対する姿勢を崩すことなく「経験豊富」なER・総合医になることができるのである。
ER・総合診療は簡単のように見えるが、実は非常に奥の深い分野である。学ぶべきことは多岐にわたり、あるときは家庭医の知識が、あるときは専門医と対等に渡り合うほどの知識が必要となる。一見大変なように見えるが、これが非常に面白い。特に「何でも知りたい、やってみたい」という知的好奇心旺盛な先生にはもってこいの分野である。初期診療を行う「病院・地域の番人」として、ちょっとした問診・身体所見から適切な専門医への橋渡しを行う事で一人の患者さんが救うことができればこれ以上の喜びはない。専門の先生からお褒めの言葉をいただいた時には天にも昇る気持ちと成る。これから少子・高齢化社会はますます加速する、その中で患者さん個々人に合わせた医療を提供できる医師が必要となってくる。そのためには様々な知識・技術を持ち合わせた若い先生方の力が必要である。日常の診療のみならず、臨床研究も着実に芽をだしつつある。「福井から世界へ」を合い言葉に福井で研修してみようではないか!来たれ若人よ!